※ちょっぴりバイオレンスです。 神威はぐらぐらとする頭で何が起こったのかを反芻していた。 なんだっけ?なんでこうなったんだっけ? そもそも何がどうなってこんなことになっているんだっけ? 眼の前には高杉だ。 此処は第七師団旗艦だ。高杉を迎えに行って、色々あって宇宙服だったから減圧の為に減圧室で待機していて、減圧が終わって部屋か ら出て機材を元に戻そうと部屋に入った瞬間こうなった。 いや・・・違う。神威がその前に高杉を押し倒して、神威が何事か云ったのだ。 多分それが地雷だった。 こうして時々、神威は迂闊なことを云って高杉の地雷を踏むことがあったが多分今回もそれだ。 兎に角、高杉の機嫌が酷く悪くなってそれでも事に及ぼうとしたら殴られた。 そんで・・・。 ( なんで、こんなことに・・・ ) 今、神威は全裸である。 高杉に何度も殴られて視界が悪い。多分瞼が腫れている。その上殴られすぎて鼻血まで出ている。 止めようにも高杉の帯でかなりきつく両腕を縛られているのでそれもできない。縛っている帯を引き千切るのは簡単だったがそれをす れば更に高杉の機嫌を損ねることは明白だ。 ( それに・・・ ) 「・・・っふぅ・・・ッ」 神威が息を洩らす。 眼の前には高杉だ。 その高杉が神威に乗って腰を振っている。 ( うあー・・・ ) 絶景である。 堪らない、ぞくぞくする。 もう何度もイキそうになってるのにその都度、高杉に逸らされる。 堪えきれず下から突き上げようものなら高杉が神威をまた殴った。 「勝手してんじゃねぇぞ、コラ」 「っあ、だって・・・」 殴る。 「だってじゃねぇよ、クソガキ。てめぇは俺に好きにされてろ」 ぞくりとする。高杉の眼はまるで殺し合いをしているかのような狂気を孕んでいる。 それだけで堪らない。堪えられない。この男を滅茶苦茶にしたい。 傲慢な男、脆弱な種の癖に不遜に神威に跨り命令する。 怒りと、それ以外にぞわりとする感覚、酷い興奮、征服欲、この男を滅茶苦茶にしたいという欲求。 ああ、堪らない。殺したい、殺して全部食ってしまいたい。 今この男に支配されて、腹が立つのに、身体は反応して、ガチガチに固くて、その神威自身が高杉に玩具にされてる。 喉がカラカラで、血が滴ることなんて気にもならない。 高杉が神威の上で神威を道具にして勝手に腰を振っている。 痛みの中で快楽を拾っているのか、びくりと揺れる高杉の動き、それが堪らない。 酷くそそられる。 ( エロいし・・・ ) そもそも高杉エロすぎだし。 此処が機材室というのも忘れて高杉に煽られる。 もう殴られてもいいから滅茶苦茶に腰を揺らして己を受け入れさせて、感じまくって、責め苦の末に高杉に懇願させたい。 「もっと」とか「厭だ」とかそういうのが入り混じった必死の懇願、神威の征服欲が満たされる絶頂の瞬間。 その上でどろどろになるまで交わりたい。 そんな欲求が神威にもたげてくるがそれも出来ない。 高杉によって強いられる我慢に神威は怒りと同時に湧き立つ被虐感にぞくりとする。これが堪らない。 神威にはMっ気は無いつもりだったがままならないこの状況に、高杉によって性を耐えさせられることに快感が湧く。 今己は追い詰められた虎のように、殺しの顔のまま目を見開いて高杉の横暴に耐えている。 ずちゅずちゅと高杉と繋がっている場所が揺れて、己のイチモツがそれこそ道具のように高杉を穿って高杉が好き勝手に腰を振って、 それが痛いくらいなのに、滅茶苦茶ヨくて、高杉が「噫」と息を洩らす度に、露わになった平らな胸やら喉やらが仰け反って、堪らな い絶景についに神威が切れた。 ぷつりと、頭の中で一線が切れた。 もう知るか。もう我慢できない。 好きにする。 「てめっ、勝手に・・・ッ、うッ・・・!」 己を縛る帯を引き千切り高杉の尻を抱え滅茶苦茶に腰を振る。 それだけで高杉は絶頂を迎えた。いつもなら神威の手管で高杉を絶頂に導けるなど貴重だから感動のひとつもしただろうが、今日はそ んなことどうでも良い。理性が引き千切れた神威は只管獣のように腰を振る。 痛みの中で互いに快感を拾って、堪えた分たっぷりと吐き出して、高杉に殴られて鼻血は酷くなる一方だし、精と血の混じった匂いが する場所で、高杉が「いい加減にッ・・・!」「おいッ・・・!」と洩らすけどその悲鳴が最後には嬌声に代わって、只管、交わった 。ぐちゃぐちゃになるまで、互いの吐き出したものでどろっどろになるまで。 後で叱られるだろうが知った事か、好きなだけ殴ればいい。 「そういうのも、結構、スキみたいだからさ・・・ッ」 「この、ヘンタイッ・・・!」 高杉の脚を限界まで開かせて、揺らして、吐き出して、その肌に噛みついて、血が出るまで食んで。 「俺をこうした高杉が悪い」 そう、あんたが悪い。 こうして俺に我慢させて、煽って、エロくて、厭らしくて、中が堪んなくて。 全く飽きるどころか深みに嵌る一方だ。 「本当、あんたって最高・・・ッ」 * うんざりしたのは阿伏兎だ。 神威が機材室に閉じこもったまま出てこないというので部下に急かされて現場に向かえばこれだ。 どうにかロックを素手でこじ開けてみればこの有様である。 高杉と真っ裸でヤりまくっていた上司の姿だ。 何がどうなってこんな惨事が起こるのか、機材室の見るも無残な姿に眩暈がする。 気を失った高杉を未だ揺らしながら漸く達して満足したのか神威はずるりと己を引き抜き高杉を抱えた。 「後始末、よろしく」 興奮と殺気が入り混じったまま、申し訳程度に衣服を羽織って高杉を抱え部屋を出る姿は壮観であったが、阿伏兎は我に返った。 「後始末じゃねぇよ!莫迦団長!これどうすんだよ!もう使い物になんねぇだろうが!」 後にはぼろぼろになった宇宙服と、高杉の衣服と、血となんか色々混じった汁が散っている。 「いやー、気持ち良かったからさー、縛られるってのもまあ興奮するよネー・・・痛キモチイイっていうか、凄かったからサ」 気持ちはわかる。相手はあの高杉だ。 男にムラっとしない阿伏兎でもムラっとしてしまうあの男だ。 だからと云ってそんな風に育てた覚えは無い。 「そんな子に育てた覚えはありません!」 「俺、阿伏兎に育てられた覚えも無いんだけど、」 高杉起きたら機嫌悪いよねー、どうしよっかな、また縛られてあげようかな、と呟く神威に阿伏兎は盛大な溜息を零しながら云った。 これだけは云っておきたい。この際機材はいい。神威のポケットマネーから補填する。 しかし早い。痛キモチイイとかうらやまし・・・じゃなかった、駄目だ。夜兎に語れる倫理観などぺらっぺらだが、早すぎる。 「その年で目覚めるんじゃねぇ!」 十八にしては早すぎる目覚めであった。 12:目覚めちゃった |
お題「まな板の鯉」 |
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